アートに
壁画プロジェクト
CREATIVE RAINBOW PROJECT
限られた時間の中で
耳を傾け、色を重ね、共に創る
子どもたちの創造力と非認知能力を育むアート教育として
「One for All , All for One」の理念のもと、壁画プロジェクトは生まれました。
東日本大震災をきっかけに、宮沢賢治の物語を読み解き、
言葉に込められた細やかな描写を感じ取りながら、形や色で表現していきます。
”純粋な子どもたちの感性から透けて見えてくる世界がある”
その世界が子どもたちの心を育て、やがて誰かの癒しへとつながることを願いながら
私たちはこの活動を続けています。
Possibility
芸術教育の可能性
芸術教育の本質と
壁画プロジェクトの意義
芸術教育とは、感覚や心を通じて芸術的表現や認識の力を高め、人間形成を目指す教育のことです。絵画や音楽をはじめ多様な分野に広がっており、「技術を育てる教育」と、芸術の力で人間形成を図る「芸術による教育」に分けられます。壁画プロジェクトは後者の考えに基づいて展開されています。現代社会では複雑な課題を解決できる柔軟で創造的な人材が求められており、芸術教育はその育成に大きな効果をもたらします。特に壁画制作は五感と頭脳を連動させ、子どもの天性を引き出し、創造力や人間力を育みます。
制作過程で見る
壁画プロジェクトが育む
6つの力
STEP1物語を読み解く
壁画制作は、まず物語の理解から始まります。自分で繰り返し読むことに加え、朗読で音として取り入れるなど、多様な方法で読み込みます。頭の中に情景を映像として思い描けるほど深く理解することで、自然に創作の広がりが生まれていきます。
自由な発想と創造力
固定観念にとらわれず、多角的に物事を捉え、柔軟で自由な発想で新たな表現を創造する力を培います。
STEP2意見をまとめ統合する
作品を深く理解するために、物語の中の重要な言葉やフレーズを見つけ、3種類のマーキング(情景描写、登場人物の感情、物語の核心)を行います。それぞれの考えを統合して描きたい世界やテーマを明確にすることで、全員の創作の方向性が定まり、制作のイメージが具体化していきます。
多様性の受容と統合力
個々のイメージや表現の違いは必ず生じます。話し合いや協働を通じて、作品としての統一感を持たせる方法を学びます。
コミュニケーション能力
自分のイメージを正確に伝え、他者の意見を理解し共通の目標に向かうことで、実践的なコミュニケーション能力が向上します。
STEP3観察し表現する
物語の読み込みと同じように観察も徹底して行います。さまざまな角度から形や動きを捉え、理解を深めていきます。一度書いたものは消さずに経験値を蓄積しポジティブに修正を行っていきます。出来上がった型紙を配置し全体と部分とを捉えながら制作を進めます。
即時的な判断と選択力
限られた時間の中で、矢継ぎ早に判断、選択、決定、行動を繰り返すことで、複数のことを同時に考え、まとめる力が養われます。
部分と全体像の観察力
自分の担当部分が全体の中でどのように調和するかを意識して作業し、細部へのこだわりと全体像を見渡す両方の視点を養います。
STEP4役割分担しながら完成を目指す
子どもたちみんなで決めた構図に沿って型紙を配置し、周囲を囲ったり、スプレー缶の吹き付けなどの役割を分担しながら色付けを行っていきます。互いに相談し助け合いながら微調整を行い、大壁画完成に近づけていきます。
粘り強さ・忍耐力
困難な作業や意見の相違に直面しても、互いに協力し共通の目標達成のために粘り強く取り組む力を身につけます。
なぜ宮沢賢治を選ぶのか
2011年3月11日に起きた東日本大震災。壁画プロジェクトは震災以後、宮沢賢治の物語を元に制作をしています。
東日本大震災は、私たちに生命の尊厳、自然との共生、そして人間の存在意義について深く問い直す機会を与えました。
このような時代だからこそ宮沢賢治の物語に、子どもたちの心を育む上での普遍的な価値を見出したのです。
また、明治と昭和初期の過去2度の三陸沖地震の震災復興時期は宮沢賢治の生きた時代であり、
その人生との重なりもまた宮沢賢治を選んだ理由の1つです。
徹底した観察力と創造力
徹底した観察力と創造力から紡ぎ出された言葉や、豊かな擬音語や擬態語、そして比喩表現によって子どもたちの想像力に直接働きかけます。登場人物の感情や情景を鮮やかに心の中に描き出し、映像を見るように物語の世界を体験することができます。
時代を超えて読み継がれるテーマ
動植物を含むすべての生命への深い愛情や共生することの重要性。逆境に立ち向かう強さや他者のために尽くすことの尊さなど、宮沢賢治の作品に深く横たわる「人間が生きていくための哲学」は子どもたちが意識せずとも物語のメッセージに触れ、共感し、自身の完成の素地を心の中に芽吹かせます。
人生初の社会貢献を
子どもたちが創作した壁画は、博物館や公園といった地域の施設や、自治医科大学とちぎ子ども医療センターなどの医療機関に展示されています。
活動を通じて子どもたちは新たな交流の機会を得るとともに、地域への誇りを再認識することができます。
さらに医療機関では、難病による長期入院生活を送る子どもや家族、病院関係者の心を和ませ、勇気を与える存在にもなっています。
このように、自分たちが取り組んだ壁画を通じて社会に貢献できる体験を、幼少期から積むことができるのです。